ザ・レスラー

The Wretler
The Wretler (2008)109分

プロレスを題材にした劇映画って、これまでスポ根かコメディかヒーローだったけど「ザ・レスラー」は違う。アメリカンプロレスの現実が描かれてる。特にファンから見えない影の部分が。プロレスラーってアニメーターに似てると思った。すっごく共感できた。ミッキー・ロークのレスラーぶりはリアルで、この映画の後、今年のレッスルマニアでホントに試合した。

70年代中頃に「ザ・レスラー」っていう同タイトルの映画がある。AWAの帝王バーン・ガニアが製作した、しょーもないクライム・アクションだが、東京12チャンネルで放送されたことがある。AWA全盛期のオールスター出演作なのは豪華だった。ガニアはもちろん、人間風車ビル・ロビンソン、虎鮫ドン・ムラコ、生傷男ディック・ザ・ブルーザー&粉砕者クラッシャー・リソワスキー、ダスティ・ローデス&ディック・マードックのテキサス・アウトローズ、鉄腕スーパースター・ビリー・グラハム、鳥人ダニー・ホッジ、狼酋長ワフー・マクダニエル、金髪狼ニック・ボックウィンクル、喧嘩狂ハードボイルド・ハガティ、金髪の悪魔レイ・スティーブンス、ドイツの帝王ホースト・ホフマン、狂乱の貴公子リック・フレアー、北海の獅子王ラリー・ヘニング、原爆男ウィルバー・スナイダー、怪力ケン・パテラ、グレッグ・ガニア&ジム・ブランゼルのハイ・フライヤーズ、NWAからドリー・ファンク・ジュニア、WWWFからペドロ・モラレス…

そのガニアも、3年前にプロレスの殿堂入りで元気な姿を見せた後、認知症で養護施設入り。そこで殺人罪に問われる事件を起こしてしまった。一世を風靡した帝王ですら晩年は悲しい。ミッキー・ロークが演じたランディはもっと悲惨だが、そういうレスラーは数多い。

ガニア版「ザ・レスラー」はアメリカでもDVD発売されてないほどマイナーだけど、YouTubeにローデス&マードックのテキサス・アウトローズが酒場でハロルド坂田をコテンパンにするシーンがあった。




The Wretler身も心も痛い映画。なんと16ミリで撮られたこの映画は、「ビヨンド・ザ・マット」のドラマ化?ってくらい、レスラー面はミック・フォーリーのセグメント、パーソナル面はジェイク・ロバーツのセグメントを彷彿させる。特に娘とのエピソードはまんまで泣かせる(娘役はシモーヌで娘やってた女の子。大人になってた)。つまり脚本があって演出されてはいるけど、事実に基づいてると言える。そういえば「ビヨンド・ザ・マット」も同じシネマライズで観たっけ。ミッキー・ロークがスゴイ。本人とキャラクターが被りまくりの生々しさ。プロレスそのものが包み隠さず描かれてるし、レスラーの日常描写もリアル。しかも晩年のズタボロになったレスラーを見るのは辛い。最後のマイク・アピールは感動的だったし、ラストも素晴らしい。ボスの歌がジーンとくる。バジェットはニコラス・ケイジを拒否したためにわずか700万ドル。でも、ランディはミッキー・ローク以外に考えられない。

tag : バイオレンス ドラマ

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プロフィール

深谷暎作

Author:深谷暎作
A.e.Suck、アクションスター。撮影で無茶して瀕死の重傷を負う。だが、NASAのメディカルスタッフによって人体改造手術、Flashアニメーターとなる。その費用600万ドル。左目はズームツール、右腕はコンテを切り、アニメーションを描くアトミックパワー、そして24FPSで突っ走る超能力の男!

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