期待どおりの怪獣特撮『シン・ゴジラ』

TOHOシネマズ新宿
シン・ゴジラ(2016)118分

シン・ゴジラ物語でなく事象を見せるだけという異色すぎるヘンな映画なので人には勧められないが、実はこんな特撮映画、ゴジラ映画が観たかったのよ!1984年の『ゴジラ』がこうだったらよかったのにって共感。映倫ど真ん中!『ガメラ 大怪獣空中決戦』で現代の怪獣災害、『ガメラ2 レギオン襲来』で現実の自衛隊の怪獣対応が描かれたのでゴジラにも期待したんだけど、ミレミアムは相変わらず路線。それが庵野-樋口コンビでついに実現!しかも余計なドラマを排した群像劇。ハリウッドでは絶対作れないだろ、ザマーミロ。

ただ、肝心の人物描写がリアルじゃない。登場人物はみんな同じ調子で早口大会、人に伝える口調じゃない。座ってるかゾロゾロ歩きの正面フォローばっか。せめて山本薩夫や熊井啓っぽいナレ入れてほしかった。漢字満載のスーパーはあるけど、情報と言うより飾り。アニメのコンテを実写で撮ったようなテンポで編集は尻がキツイ。音楽は『エヴァ』と同じで、ゴジラには伊福部昭のオリジナル音源が使われるけど完コピ新録してほしかった。上陸したゴジラがパペットみたいで、早くもコレじゃナイ感MAX。ほんと、まじめにデザインしてほしかった。蒲田のパニックシーンはデキがよくないので本編で使ってほしくなかった。

映画は二度目の上陸から心に響き始める。むしろ共感しまくり。10式がゴジラに併走して射撃したり、ゴジラと対峙するアパッチの大俯瞰はキラーショット。電線なめのアオリ回り込みもよかった。B-2のモップ攻撃も説得力あった。ヤシオリ作戦はめちゃくちゃよかった。JRや重機の参加は秀逸!BGMはまさかの『宇宙大戦争』で萌え度MAX!卑怯だけど正解。

ゴジラのルックは第4形態は好み。フルサイズの着ぐるみ感、アップのギニョール感など特撮っぽくなってたし。吐くのは透過光の光線じゃなく火炎なのがいい。観たかったゴジラ映画がやっと観れた。第ニ形態、石原さとみの特使、戦車とヘリのCGIは見苦しかったが、怪獣映画としては『ガメラ 大怪獣空中決戦』以来、特撮映画としては『巨神兵東京に現わる』以来の満足感。
    関連映画
  • 『ゴジラ FINAL WARS』(2004)以来12年ぶりのゴジラ映画
  • 『ゴジラ』(1953)へのオマージュでありリメイク
  • リファレンス映画は『日本のいちばん長い日』(1967)
  • 姿を消した博士、牧悟郎の名は『ゴジラ』(1984)の主人公、牧吾郎から
  • 形態が段階的に進化する不明生物は『ゴジラ対ヘドラ』(1971)のヘドラ
  • ゴジラの表皮に赤い部分があるのは『ゴジラvsデストロイア』(1995)のバーニングゴジラ
  • 怪獣災害を描いたのは『ゴジラ』(1953)と『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)
  • 首相を軸にして政府を描いたのは『ゴジラ』(1984)
  • 米軍主導によるゴジラ核攻撃計画は『ゴジラ』(1984)の米ソ核攻撃計画
  • 「ゴジラより人間の方が怖い」は『ゴジラ』(1984)の林田博士の「ゴジラより人間の方がモンスター」
  • ゴジラの血液を凝固する作戦は『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994)
  • ゴジラを冷却する作戦は『ゴジラvsデストロイア』(1995)
  • ヤシオリ作戦は『八岐之大蛇の逆襲』(1983)八塩折之酒から
  • ヤシオリ作戦の音楽は『宇宙大戦争』(1959)

tag : フランチャイズ オマージュ 自衛隊 怪獣 特撮

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プロフィール

深谷暎作

Author:深谷暎作
A.e.Suck、アクションスター。撮影で無茶して瀕死の重傷を負う。だが、NASAのメディカルスタッフによって人体改造手術、Flashアニメーターとなる。その費用600万ドル。左目はズームツール、右腕はコンテを切り、アニメーションを描くアトミックパワー、そして24FPSで突っ走る超能力の男!

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