時空越えの名作「ある日どこかで」

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Somewhere in Time (1980) 103分

監督:ヤノット・シュワルツ 原作・脚本:リチャード・マシスン
音楽:ジョン・バリー 撮影:イシドア・マンコフスキー
出演:クリストファー・リーヴ(寺杣昌紀)、ジェーン・シーモア(田中敦子)、クリストファー・プラマー(有本欽隆)、テレサ・ライト(鳳芳野)、ビル・アーウィン(松岡文雄)

タイムトラベル映画の名作。35年たった今も世界中のファンに支持されているカルト・クラシック。コメンタリーはヤノット・シュワルツ単独で、解説のお手本のような満足の内容だった。演出プラン、演技、具体的な撮影方法、裏話、ストーリーテリングなどが豊富。コメンタリーとしては申し分ない情報量。いくつかメモ。

リチャードの名は原作者のリチャード・マシスンに由来。エリーズのモデルはモード・アダムス。マネージャーのロビンソンにもモデルがいる。
ユニバーサルは製作したがらなかったが、ヤノット・シュワルツが「ジョーズ2」をヒットさせた褒美として半分の予算400万ドルでGoサインを出した。
現在のシーンはコダック、過去のシーンはソフトなフジと2社のフィルムを使うことで色調を変えている。
思い出の曲は元々マーラーだったんだけど、映画のテイストに合わず、ジョン・バリーの提案でラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏」に変更した。
リチャードがエリーズの絵を初めてるシーン、絵は直前までクリストファー・リーヴに隠しておき、演技は「磁石に吸い寄せられるよう」にオーダー、光学処理で光を足した。
カメオの話。リチャードに出くわして驚くホテルの客はリチャード・マシスン。ちょっと出てみたかったんだって。
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リチャードがエリーズと会うのは1912年6月27日。その翌日の午後、リチャードとエリーズが散歩するシーンはドガやスーラなどの印象派タッチをイメージした。
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エリーズが舞台から告白するシーンは別撮りなのでクリストファー・リーヴでなくリチャード・マシスンに対して話している。
ホテルのテラスからのショット。手前にリチャード、はるか遠くにエリーズが見えるパンフォーカス、分割ジオプターレンズ(遠近両用のハーフ&ハーフ)を使用した。
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オプチカルじゃなく一発撮り。リチャードの背後の柱の左端がボケてるあたりが境目。リチャードが現実に戻る難しいショットで、エリーズが遠ざかるのもオプチカルではない。キャメラを引くことで周囲に映り込んでしまうスタジオは黒く塗りつぶした。
↓ネタバレ↓
リチャードは病気でなく焦がれ死にすることにした。キャメラが上がるのは幽体離脱のイメージ。あの世のシーンは1カットにしたかったが長過ぎるので2カットに分けた。
↑ネタバレ↑
続編の企画もあった。この映画はリチャードの視点で描かれてるけど、エリーズ視点もありだもんね、実現してほしかったなあ。

2000年に制作された64分のドキュメンタリー「Back to 'Somewhere in Time'」も収録。原作・脚本のR.マシスン、製作のS.サイモン、監督のJ.シュワルツ、撮影のI.マンコフスキー、音楽のJ.バリー、キャストのC.リーヴ、J.シーモア、C.プラマー、T.ライト、B.アーウィンなどが、それぞれの立場で当時を振り返ってるのが嬉しい。
    関連映画
  • ヤノット・シュワルツが参考にしたのは「永遠に愛せよ」(1935)、「天国への階段」(1946)、「めぐり逢い」(1947)、音楽は「幽霊と未亡人」(1947)、キスシーンは「汚名」(1946)、劇中劇は「天井桟敷の人々」(1945)
  • 老女が過去へ誘うのは「タイタニック」(1997)
  • 食堂に「サウンド・オブ・ミュージック」(1959)のトラップ・ファミリー風の家族
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  • 太った女優ジェネヴィーヴはエドラ・ゲイル。楽屋の女優に関して、シュワルツは「8½」(1963)のラ・サラギーナのイメージだったが、本人がオーディションに現れた。エドラ・ゲイルはアメリカの女優だった。「8½」でデビューした彼女にとってこの映画が遺作になった。
    ロケ地はミシガン州ヒューロン湖に浮かぶマキノー島のグランドホテルとその周辺

  • 撮影期間は1979年5月から8月
  • 島内では自動車の使用が禁止されていたが、運搬用に1台だけ許可された。スタッフ、キャストは自転車
  • 撮影中、グランドホテルは通常の営業も続け、宿泊客がエキストラとして協力した
  • グランドホテルでは、毎年10月に『ある日どこかで』を記念したイベントが開催される
  • Grand Hotel Mackinac Island

tag : Sci-Fi メイキング タイムトラベル 場所 カメオ 吹替え

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プロフィール

深谷暎作

Author:深谷暎作
A.e.Suck、アクションスター。撮影で無茶して瀕死の重傷を負う。だが、NASAのメディカルスタッフによって人体改造手術、Flashアニメーターとなる。その費用600万ドル。左目はズームツール、右腕はコンテを切り、アニメーションを描くアトミックパワー、そして24FPSで突っ走る超能力の男!

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