十一人の怒れる男

「十二人の怒れる男」(1957)のエンドクレジットで、228号室のフカンのショットが使われている(左)。これは本編にはないアングルで、10番が空席になっているので11人しかいない。偏見を持つ者は議論に不要というルメットのメッセージだということらしい。偏見に満ちた10番は、他の陪審員達から拒絶され(右)離席後は口を開くことはない。
スタジオクラシックスDVDは小山田宗徳版でなく内田稔版だったけど、悪くはない。尺的に欠落はほとんどないんで字幕はほんのわずか。S.ルメット、デビュー作にしていきなり名作。何度見ても凄い。改めて気付いたんだが、タイトルバックから長回しだったんだ!その1カットで陪審員12人の紹介と状況を見せちゃってる。進行は密室でほぼリアルタイムなのに、緩急もあるし、こんなに引き込まれるディスカッション劇はまずない。わずか90分で11対1が、1対11になって、ついに覆るスピーディーな展開。リー・J・コップの熱演は感動もの。ルメットの自著「メイキング・ムービー」によると、徐々にアイレベルとレンズを変えて閉塞感を感じさせるように計算して構成したとのこと。「12人の怒れる男」もDVD化してほしいなあ。12 angry men (1957) 96分
監督:シドニー・ルメット出演:陪審員1番マーティン・バルサム(峰恵研)、陪審員2番ジョン・フィードラー(矢田稔)、陪審員3番リー・J・コッブ(宮川洋一)、陪審員4番E.G.マーシャル(鈴木瑞穂)、陪審員5番ジャック・クラグマン(阪脩)、陪審員6番エドワード・ビンズ(山内雅人)、陪審員7番ジャック・ウォーデン(青野武)、陪審員8番ヘンリー・フォンダ(内田稔)、陪審員9番ジョセフ・スィーニー(浮田佐武郎)、陪審員10番エド・ベグリー(金井大)、陪審員11番ジョージ・ヴォスコヴェック(大久保正信)、陪審員12番ロバート・ウェッバー(仲木隆司)

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