パシフィック・リムとロボ・ジョックス

robotjox
「パシフィック・リム」と「ロボ・ジョックス」を比べてみた。「ロボ・ジョックス」は国家間の問題を巨大ロボット同士が戦って解決する世界を描いた1990年製作のアメリカ映画。人型ロボットに、ジョックス(パイロット)が搭乗して戦うタイプで、モデルアニメーションで撮影されてる。エンパイア・ピクチャーズが製作費1000万ドルを投じた実写特撮大作だ。デザインはロン・コッブ、特撮はデビッド・アレン、監督はスチュアート・ゴードンというドリーム・チーム(B級だけど)なのだ。この映画をきっかけに何本もの巨大ロボット映画が製作されたよ。

cockpit.jpg
ロボットに搭乗して操縦するシステム。左は「パシフィック・リム」、まん中は「ロボ・ジョックス」、右の「ジャンボーグA」(1973)は、怪獣を撃退するロボットの活躍を描いた円谷プロの特撮TV番組。イェーガーの場合、歩くのも大変で素早く動くことは無理そう。戦いにスピード大事だけどね。「リアル・スティール」のシャドー機能はもっと凄くて、遠隔動作なので乗らなくていい(乗れないけど)。Kinectみたいに安全な場所でフリをすればいいわけだ。素早い動作も可能だし、戦闘ロボとしてはこの方式が最適かと思う。イェーガーに搭乗する理由が不思議に感じる。

「ロボ・ジョックス」からアキレス対アレクサンダー。アレクサンダーのロケットパンチに注目。巨大ロボが人間に及ぼす被害の描写もあるよ。

pilot1.jpg
スーツの比較。左は「パシフィック・リム」、右の「ロボ・ジョックス」はスーツで動きをトレースするマスタースレイブ方式。今で言うモーションキャプチャー。両手にコントローラーを握ってるだけで、動作を伝達するワイヤー類はないので動きやすい。

pilot2.jpg
パイロットの戦闘訓練。「パシフィック・リム」で棒術的な戦いの稽古。「ロボジョックス」(右)ではマーシャルアーツかな。

ちなみに、「ロボ・ジョックス」はYouTubeで全編見れちゃうよ。
「パシフィック・リム」を支持する特撮ファンが多い。そんなにいいか?日本の特撮やアニメのオマージュと言えるのか?23年前の「ロボ・ジョックス」と比べても、特撮がCGIになったくらいで、内容的には大して変わってないんだよね。てことでオレが感じた「パシフィック・リム」の残念なとこね。

・メインタイトルがない
この映画は実は2作目だ。プロローグは1作目のダイジェストになってる。見たかったストーリーや映像はすべてこの中にあった。まず1作目をちゃんと作ってほしかった。エンドタイトルはオープニングにもってきた方が特撮映画っぽくてよかったなー。この序章に相当する部分は「パシフィック・リム:イヤーゼロ」としてコミック化されてる。

・怪獣
デザインや色が似たり寄ったりで、全体像や特徴がわかりづらい。同じく多くの怪獣が登場する「怪獣総進撃」のような壮観さやプレミアム感がない。カテゴリ5の怪獣が一番地味ですぐ死ぬってのもどうかね。ギレルモ・デル・トロは「ヘルボーイ/ゴールデンアーミー」で精霊や岩男の怪獣演出が冴えてただけに、なんでこーズレちゃったかねー。

・防衛線がない
怪獣が海から上陸してくることはわかってるのに、壁を建設中だったり地下シェルターだったりであまりに無防備。壁の構造が現代のビル建築なので時代が合わない。津波除けじゃないっつーの。怪獣映画なら海岸線に第一防衛ライン、内陸に第二防衛ラインを設けるよ。この防衛ラインで軍隊は怪獣の侵攻を遅らせ、イェーガー到着まで時間稼ぎをするもんだよ。

・災害が描けてない
怪獣が現れたらシェルターに入るだけ?避難するモブや、家財道具と共に疎開するシーンとかあってもいいのに。怪獣やイェーガーのせいで家を失った難民とか。街も怪獣の脅威にさらされてる感がない。

・ナイトシーンばっかし
怪獣のスケール感もイェーガーとの戦いぶりもわかりにくい。夜の怪獣は怖いけどそれじゃお化けと同じ。白昼にくっきり見えるからこそ怖いもんだよ。

・イェーガー
パイロット搭乗シーンがないし、発進に時間かかりすぎ。怪獣出現地に素早く出動する必要がある。「UFO」のインターセプター発進シーンを見習うべき。イェーガーの輸送はチヌークだったけど、これはない。輸送範囲は小さいし、古すぎる。ここはオスプレイをベースにしたイェーガー輸送専用機でしょ。ジプシーとエウレカはそこそこ活躍を見せるけど、他はさっぱり。中国の三人組やロシア組が活かされてない。

・パイロット
2人1組はいいけど、右脳と左脳ってわかりにくすぎ。分担はキャプテンとコーパイでしょ。つまり一人は補助やバックアップに徹する。同じ動きをするのは滑稽すぎる。ロボットに乗り込む必要もないよね、パイロットを危険にさらす仕組みは古すぎる。パワードスーツや重機はともかく、近未来の戦闘兵器は無人が基本。ロボットを遠隔操作するシステムでいいじゃん。「ロボ・ジョックス」競技だからF-1と同じで人が乗る意味がある。

・森マコ
イェーガーのパイロットになる動機が復讐なんだよ、いまどきこれはない。特に日本人女子ならまずない。幼少期に家族を殺した怪獣はスタッカーが殺してるし、幼い子に復讐心が芽生えたとしたら、とんでもない不良になってるよ。そうならなかったのは育てたスタッカーに復讐は意味がないって教育されたか、幼くて理解できてなかったから。

tag : 類似 ロボ

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

TODAY
プロフィール

深谷暎作

Author:深谷暎作
A.e.Suck、アクションスター。撮影で無茶して瀕死の重傷を負う。だが、NASAのメディカルスタッフによって人体改造手術、Flashアニメーターとなる。その費用600万ドル。左目はズームツール、右腕はコンテを切り、アニメーションを描くアトミックパワー、そして24FPSで突っ走る超能力の男!

最新記事
カテゴリ
タグ
検索フォーム
最新コメント
リンク
Connect the Movie
RSSリンクの表示