1942年の『ロシアン・スナイパー』
Bitva za Sevastopol(2015)123分
監督:セルゲイ・モクリツキー
脚本:セルゲイ・モクリツキー、マキシム・バダリン、イゴール・オレショフ
撮影:ユーリー・コロル 音楽:エフゲニー・ガルペリン
出演:ユリア・ペレシルド、ジョアン・ブラックハム、エフゲニー・ツィガノフ、ポリーナ・パクホモヴァ、ニキータ・タラソフ
プライムで見た。旧ソ連の有名な女性狙撃手リュドミラ・パヴリチェンコ少佐の伝記映画。原題は『セヴァストポリの戦い』。邦題は同じく実在のスナイパーを扱った『アメリカン・スナイパー』(2014)を意識してる。「史上最高の狙撃手」と言われたSEALsのクリス・カイルが仕留めたのは160人なのに、パヴリチェンコは入隊1年で309人!本人は回想録書いてるけど、それを原作にしてないようで、親交のあったエレノア・ルーズベルトが回想する構成になってる。結構盛ってるけど。米国から帰国後は前線に復帰してないし。
ママが英語教師だったので英語もペラペラ。でも普段はクールで笑顔は見せない。射撃の腕を見込まれて狙撃手にリクルートされる。訓練シーンは胸熱。女性兵士は持ち物を焼かれる。戦争を控えてるからね。優秀な成績で狙撃手に就任!ファシスト殺せー!軍人モードに入ると、女子じゃなくなる。
すごいのは、塹壕で敵戦車の窓を対戦車弾で撃ち抜いて、2発目でドライバーを殺す技。1ショット1キルどころかパヴリチェンコは1ショット3キル狙ったり。敵狙撃手を倒すカウンタースナイピングもピカイチ。軍医が「今日は○人救った」と言えば、「私はファシストを73人殺した」と言ってのける。復讐スイッチが入ると、1発で仕留めず、膝を撃ち抜いて苦むのを楽しむ。リュドちゃんモテモテだから戦場でのロマンスはある。でもそこは映画の創作、いらんかった。史実では戦前に結婚してて子供もいたのに。
1941年、25歳で309人(うち36人が狙撃兵)を狙撃して、2度も重傷を負っても戦場を離れることが許されない。エレノア・ルーズベルトに気に入られて、1942年にホワイトハウスに招かれ、笑顔を伝授される。このアメリカ滞在と戦場での戦いが並行して描かれる。ルーズベルト夫人との交流はホッとする。最後はドイツ最強のスナイパーとの過酷な戦い。倒したスナイパーの持ってた奥さんとの写真を見て、戦場を離れるリュドちゃん。
パヴリチェンコ役のユリア・ペレシルドがすげー似てたし、女優力ある。エレノア・ルーズベルトも似てた。